スキャン補助ツール
本等のスキャン、いわゆる「自炊」を補助するためのツールを作成しました。
主な用途はゲームの説明書のような、ホッチキスで止めているタイプのものです(本などをカメラで撮影したような場合の補正にも使えるとは思います)。
スキャナには自炊に適した機能を持つものもあり便利なツールも使えたりしますが、そういう専門的なスキャナを持っていなくてもゲームの説明書などを電子化しておきたいという、非常にニッチな用途で便利に使えるツールです(多分)。
物理的にスキャンする作業はどうしようもありませんが、切り抜き作業とファイル名を付ける作業は楽をしたい、ということで作成しました。
手順

今回はこれをスキャンしてみます。

ホッチキスの針を起こしてバラします。

簡単な明度の差を利用して輪郭を抽出するのでスキャンするときに一手間必要です。
黒い画用紙をスキャナに合うようカットして、スキャンするときにかぶせます。ページは明るめの数値であることが多いので、黒背景と差が出て切り抜きの確率が上がります。
また黒色は、ページ裏の文字が透けて見えることも軽減します。
※黒い画用紙は実際はそれほど黒くないので、より黒いシート状の物があればそれを使う方が良いです。
黒背景でページとの明度差が殆どない場合は、背景用の紙を無しにして(白背景)スキャンする必要があります。
複雑に明度が変わるようなページだとうまく切り抜けない場合があります。背景色の組み合わせによって切り抜きやすさが変わるので、微妙なページは先に設定値と背景色を確かめた方が良いかもしれません。

解像度を落としていますが、元は横5000ピクセル縦7000ピクセルほどの大きなサイズです。
1枚1枚スキャンしても良いですが、スペースが余るので数ページまとめてスキャンしました。
各ページが重ならないように、また見切れないようにだけ気をつけます。
この画像から他の画像ツールを使用して、1枚単位に切り分けて保存します(単純な分割ならこのツールの分割も使えます)。そこは手作業になりますが作業量は大したことありません。
ただ詰め込みすぎるとちょっと面倒です(上のサンプルはやり過ぎでした)。もちろん1枚1枚のスキャンならその工程は不要です。

画像を見開き1枚単位で適当に切り抜きました。
表と裏合わせて10ファイルです。保存するファイル名は何でも構いません。
斜めになっていても逆さまでもokです。

それらのファイルを「scan補正」へドロップすると切り抜き作業が始まります(詳細な使い方は次ページで)。
スマホアプリなどでは一瞬で切り抜いたりしますが、地道に1ピクセルずつ輪郭を調べているので少し時間が掛かります。

切り抜きが完了すると、確認ウィンドウが出ます。向きが違う場合90度単位で回転させて向きを合わせます。

このウィンドウではマウスの位置に縦線が追従しますので、左クリックもしくはスペースキーでその位置から左右の画像に分割し2つの画像ファイルとして保存します。
この作業をすべての画像ファイルに行います。
2つの画像は元のファイル名に_Lと_Rが付加された名前になりますが、それだけだとページがバラバラです。
次に「画像リネーム」を使ってファイル名をリネームします。

ファイルをすべて画像リネームへドロップし、画像を見ながら並べ替えます。
この時、マウス操作での並べ替えもできますが、テキストボックスでインデックス番号を入力しての並べ替えが効率的です。
リネーム終了後これら画像ファイルをzipでまとめて完成です。


別のページで公開しているブックビューアで表示するとこんな感じに表示されます。
1ページずつの画像ファイルですが見開き状態で表示しても違和感ありません。
※ホッチキスをバラさずにスキャンした場合でも、ページの根本に厚みが出てその部分が不鮮明になりやすい等のデメリットがありますがそこそこ上手く行くようです。

作業が終われば元に戻します。ホッチキスのカーブ部分を潰さないようにして曲げると比較的綺麗に元に戻るように思います。