scan補正の使い方

全体の流れ

- 画像ファイルをドロップで処理開始
- 輪郭抽出、切り抜き処理
- 確認ウィンドウ表示
- 画像ファイルをドロップで処理開始
- 輪郭抽出、切り抜き処理
- 確認ウィンドウは表示されず、1枚の画像として自動保存(画像切り抜きに失敗してもそのまま次へ)。続けて次の画像の処理を実行
- 画像ファイルをドロップで処理開始
- ファイルの画像をそのまま確認ウィンドウに表示
[補正+分割]では1枚ずつ画像を確認しながらの作業に使用し、[補正]では切り抜き作業のみを連続で実行したい場合に使用します。
切り抜いたファイルに対して確認や分割を行うときに[分割]を使用します。
補正方法

回転は、4つの辺の中で一番直線度が高いと判定した辺が水平/垂直になるように角度を決めて四角形に切り抜きます。
台形は認識した4つの角を四角形に変形させます。
スキャナで読み込んだ画像は"回転"、カメラで斜めから撮影したような画像は"台形"を選択します。
説明書などは裁断自体が斜めになっていたり折り目の影響があったりと結構歪んでいることが多く、そのような場合は台形補正にすると歪みが出るので、回転だけさせて切り抜く処理が向いているように思います。
回転の処理は画像を変形させないため歪みはありませんが、辺を基準にしているので印刷が斜めになることがあり、切り抜き範囲が小さめになります。
確認ウィンドウ

カーソルキー左右 | 左右回転 |
ESCキーもしくはウィンドウを閉じる | 保存しない |
マウスホイール | 拡大縮小 |
マウス右ボタンでドラッグ | 画像の移動 |
左クリックもしくはスペースキー | ラインの位置で左右画像に分割して保存 |
エンターキー | 分割せずに保存 |
※左クリックで分割する場合、マウスポインタ位置が背景の青い部分では反応しません。また左クリックではマウスが動いて位置がずれてしまうことも多いので、スペースキーが便利です。
うまく輪郭が抽出できず確認ウィンドウ表示まで進行しなかった場合は切り抜き画像は生成されません。
画像が生成されない時や確認ウィンドウで画像を保存しなかった場合は、リストに残ります。
再実行ボタンを押せば残りのリストに対して処理が行なえます。
続けて押しても同じ結果になるだけなので、ボタンを押す前に設定を変更しておく必要があります。
処理を途中でキャンセルした場合も未保存の画像はリストに残ります。
明度設定
画像を前景と背景に分け、前景の輪郭で直線と判定した四角形を切り抜く処理となっていて、そこが失敗するとうまく切り抜くことができません。
切り抜きに失敗する場合は設定値を変えて試す必要があります。
前景と背景の区別はピクセルの明度を使って判定していて、明度はR,G,Bの値0~255の内、最大のものを明度としています。
[閾値]
背景明度最小値から背景明度最大値で設定した範囲の明度を背景と判断し、それ以外を前景と判断します。
通常は明度の低い部分を背景とするので、最小値を0にして最大値を調節します。
最大値を255に固定し、最小値を調整することで、白を背景とした暗いページの切り抜き設定にもできます。
[変化値]
ピクセルを調査したときに、明度変化最小値から明度変化最大値の範囲の明度変化が発生した部分を前景と判断します。
通常は、最小値から最大値の間で"明度が上がった"部分を前景としますが、最大値と最小値を入れ替えて入力すると(最小値の方が大きいと)"明度が下がった"部分を前景とします。
例えば最小値60最大値255の場合、明度が60以上上がった部分を前景と判断し、最小値255最大値60とすると明度が60以上下がった部分を前景と判断します。
設定パターンがいくつかありますが、多くの場合は閾値で最大値あるいは最小値を調整する方法で良いと思います。
縮小されている関係で厳密ではありませんが、マウスのポイント位置のピクセル情報が輪郭確認の隣に表示されるので、それを参考に設定します。
※左右ページで極端に明度が違う場合
場合によっては一方のページが黒背景、一方のページが白背景というパターンもあります。
そのような場合は見開き状態で切り抜きはできないので、片方ずつの設定で個別に切り抜き、分割せずに保存することになります。
輪郭確認
明度設定でどのような輪郭を抽出できたのかを確認するためウィンドウが開きます。
明度設定を行う場合の参考に使用します。

輪郭確認したときに輪郭内部に描画が多いと、内部の描画を直線としてしまい切り抜きに失敗しやすくなります。

調整して輪郭のみに近づけると成功率は上がります。
画像出力
出力画像は処理する画像と同じディレクトリに補正という名のディレクトリが作られ、その中に保存されます。
設定2のタブに出力ファイル形式の選択があります。BMPかJPGが選べ、JPGの場合品質が指定可能です。
縦横比率

補正方法が台形補正のとき、斜めから撮影した画像の比率が大きく狂うこともあります。
そのような場合にここに数値を入力することで比率を指定できます。例えば90mmx43mmの大きさだったとすれば長辺に90、短辺に43を入力します。
空欄にすると画像から取得した比率になります。補正方法が回転の場合は無視されます。